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​猫のアレルギー治療

猫の過敏性皮膚炎のうちアトピー性症候群(Feline Atopic Synderome :FAS)の診断基準

 

痒みを伴う皮膚疾患を呈する猫に特異的な治療を適用するためには、対象となる猫がⅠ型アレルギー疾患(アトピー性症候群)であるとの診断が必要です. 猫のアトピー性皮膚炎の明確な定義は国際的にも不明確ですが、犬のアトピー性皮膚炎の診断基準の策定でも有名なスイス・チューリッヒ大学のDr. Favrotが、猫の過敏性皮膚炎についての診断基準を発表しています.  

猫の過敏性皮膚炎は Feline Atopic Synderome(FAS)Feline Insect Hypersensitivityに大別することができ、このうちの前者にはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息などが含まれるとしています。その概要を紹介します.

猫の心因性脱毛症という診断に対する新たなチャレンジ
好酸球の増多(局所、血中)を伴わない、猫の自傷性脱毛症に対して心因性脱毛症と診断名がつけられがちですが、海外では心因性脱毛症と安直に診断すべきではないとするエビデンスが報告され、精神性要因に委ねがちな風潮に警鐘が鳴らされています。心因性脱毛症と推定的に診断されていた21頭の猫における再評価では、16頭(76%)の猫で食物有害反応やアトピー性皮膚炎など医学上身体的な原因による痒みが同定され、わずか2頭(10%)の猫だけが心因性脱毛症を有することが判明し、さらに3頭(14%)の猫は心因性脱毛症と医学的に身体的な原因による痒みの組み合わせを有していたという報告があります. この情報は、“ストレスによる心因性皮膚炎“と誤って診断された猫とその家族の心を癒すことになるかも知れません.

順法的かつ合目的に提供され、入手可能な混合抗原液を用いて個体ごとにその評価を行うことが成功への最短ルートです.

アレルゲン特異的免疫療法(ASIT)
猫への適用について


国際的診断基準に照らして対象となる猫がアトピー性症候群であるとの診断された上で、1年以内のアレルゲン特異的 IgE検査によって感作アレルゲンが特定され、食事の変更をしても年間を通じてアレルギー症状の発作がコントロールできない場合、ASITが治療の選択肢となります. その概要を解説します.

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