​犬アトピー性皮膚炎:CADの診断基準

CADの診断基準
国際的な診断基準としてFavrotによる診断基準2010が一般的です.

Favrotの診断基準2010 全8項目

  1. 発症年齢が3歳以下

  2. 飼育環境の多くが室内

  3. グルココルチコイドに反応する痒み

  4. 慢性・再発性のマラセチア感染症(初発時に皮疹の無い痒みあり※)

  5. 前肢に病変あり

  6. 耳介に病変あり

  7. 耳介辺縁には病変なし

  8. 体幹背側には病変なし

 

慢性の再発性のそう痒症を示す皮膚疾患で

上記8項目のうち5項目を満たせばCADの診断率は感度85.4%,特異度79.1%であり, 
6項目を満たせば特異度は88.5 %に上昇するが感度は58.2%に低下します.

※4番目の項目は原著の“慢性・再発性のマラセチア感染症”から

“初発時に皮疹の無い痒みあり”に置換され,
3番目を除いた全7項目の別のセット(Set2) も用意されています.

より高い特異度が求められる場合(潜在的な副作用を有する薬剤試験など)は

6項目を満たすことを条件とすべきであり,

より高い感度が求められる場合(疫学的調査研究など)は

5項目を満たすことを条件とすべきとされています.


筆者注:1,000頭以上の統計データ解析に基づく評価で信頼度は高いですが,100%の診断基準ではないことには注意が必要です.

必ず他の疾患を除外してから採用しなくてはなりません.

 

引用元

Favrot C, Steffan J, Seewald W, et al. A prospective study on the clinical features of chronic canine atopic dermatitis anditsdiagnosis. 
Vet Dermatol. 21: 23-31, 2010.

CADと食物アレルギーの好発部位
国際的な見解として, 双方に大きな違いはみられませんが,
食物アレルギーは口吻部と肛門周囲に症状が出やすい傾向があります.
引用元:Hensel P, Santoro D, Favrot C, et.al. Canine atopic dermatitis: detailed guidelines for diagnosis and allergen identification. BMC Vet Res. 11:196-209, 2015.

治療のポイント

急性期と慢性期では治療オプションが異なる

皮疹の外観上,小丘疹や発赤を示し,痒みを伴う状態を急性期,色素沈着と苔癬化が体幹広範囲に広がる病態を慢性期として分けて治療オプションを選択することがポイントとなります.  急性期病変が優位な状態なのか?慢性期病変が優位な状態なのか?皮疹によってある程度の判別が可能であるため,個体と病変ごとに分別を行うことが,治療指針を立てる上で必要であり,その適切な選択が治療成功の鍵を握ります. 臨床獣医師は,最適な結果のために提案する治療オプションの組み合わせによる有益性,副作用,実用性,コストと利便性を常に評価すべきです.

CADと除外すべき他の疾患(頻度の高いもの)

  • 外部寄生虫感染症(ノミ、疥癬、毛包虫)

  • 脂漏症、多汗症に伴う慢性マラセチア感染症

  • 脂質代謝異常に伴う高齢・背側の皮脂腺炎、皮膚炎

  • 食物アレルギーのうち経皮曝露によるもの

CADと除外すべき他の疾患(比較的頻度の低いもの)

  • 化学物質接触性皮膚炎

  • 日光過敏症

  • 内部寄生虫遊走性皮膚症

  • 薬剤有害反応・多形紅斑

  • 皮膚糸状菌症

  • 上皮向性Tリンパ腫(菌状息肉腫)

  • 血管炎など虚血性皮膚疾患

  • 天疱瘡など自己免疫性皮膚疾患

 
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